HEALTHCARE

SLEEPING BEAUTY
睡眠でキレイになる&健康を取り戻せる
眠りは「美女のモト」

IDC OTSUKA

写真提供/IDC OTSUKA

世界の中でも、最も睡眠時間が短いとも言われている日本の女性。
なかなか寝つけない、夜中に目が覚めてしまうなど、睡眠障害に悩まされている人も多いSENLY世代。
今回、快眠に導くための住環境、運動、食べ物をプロに全方位徹底取材。
前編はスリーピング ビューティのメインテーマである住環境について伺いました。

寝室の住環境を心地よく整える【前編】

今回お話を伺ったのは……

IDC OTSUKA 新宿ショールーム スリープアドバイザー 村越 愛さん


IDC OTSUKA 新宿ショールーム
スリープアドバイザー
村越 愛さん
IDC OTSUKA 新宿ショールーム
https://www.idc-otsuka.jp/showroom/shinjuku

新宿ショールーム勤務。どの店舗にも、眠りのスペシャリストである「スリープアドバイザー」が常時滞在。予約してご相談を。

──スムーズな入眠に入るための照明のポイントを教えてください。

青白い光よりも、あたたかみのある柔らかいオレンジの光に
間接照明で、くつろぎ感をアップ

心身をリラックスさせたいなら、くつろぎ感のある柔らかいあかりがおすすめです。照明の光は蛍光灯のようなものよりも、色温度の低い暖色系の方が、リラックス効果が高いといわれています。また、主照明を一灯照らすというよりは、お部屋のコーナーにフロアスタンドやベッドのサイドテーブルの上にテーブルスタンドなどの間接照明を取り入れるとくつろぎ感がアップ。他にも床置きのライトで壁にシルエットを映し出すのも素敵です。間接照明を上手く使っていただくと、夜寝る前にホッとリラックスできる空間になると思います。

ポータブルライト「easy peasy」


イタリアの照明ブランド。充電式コードレスなので、持ち運びが可能。本体トップのノブを回すだけで簡単に調光ができます。
ポータブルライト「easy peasy」¥84,000(税込) 幅116マルx高さ233(㎜)
IDC OTSUKA

また、寝る1時間から30分くらい前には携帯の使用をやめて心を落ち着かせましょう。
携帯のブルーライト自体が脳を目覚めさせてしまうことに繋がります。

──部屋は真っ暗にしたほうがいいのでしょうか?

人の好みによって異なりますね。朝日が昇ってきても、遮光カーテンなどで暗さを求めたいという方もいますし、少しだけカーテンを開けて、朝日が昇ってきたら自然に光が入ってきて、自然に目覚めたいという方もいらっしゃいます。一概にこれがベストというのは、人によって違ってはくるのかなと思います。

──快眠に最適な寝室の室内温度は?

理想の室内温度
夏は28度以下、冬は18度以上

日本は四季がありますので、外気温によって室内の温度が影響されるというのはあります。夏は28度以下、冬だと18度以上と言われているので、それがひとつの目安になってきます。室内の温度も重要なのですが、どちらかと言うとお布団の中の温度である寝床内温度が大事ですね。蒸れたり、暑すぎる、寒すぎるとなると夜中に目が覚めてしまいます。お布団の中の温度・湿度のコントロールをしてあげるのがベストです。

最適な寝床内の温度は約33℃、湿度は約50%の状態

少し高いと感じるかもしれませんが、寝床内温度のベストは約33度、湿度50%が最適で、その状態を保っていると快適な寝心地になります。上の掛け布団などで、ある程度調整ができるので、コントロールしていただくといいかなと思います。この環境を作り出すためにも、寝具は吸湿性・放湿性が高く、かつ保温性が高いことが大切です。掛布団、ベッドパッド、カバーリングの素材にこだわって選ぶと良いと思います。

──夏の快適な寝室の環境づくりについて教えてください。

室温だけでなく湿度もコントロールすることが、夏の快眠のための大切なポイントです。「暑くて寝苦しい」というお悩みの方は、年中同じ寝具をお使いの場合が多いので、夏用の寝具アイテムをおすすめしています。夏に適した素材として、リネンやコットン素材の寝具なら吸湿・発散性に優れ、寝苦しさを解消してくれます。天然素材の寝具はお肌にもやさしく、安心です。真夏になると、夜でも蒸し暑いので、エアコンを上手く活用していただくのが良いですね。タイマーを使ってエアコンで上手く調整してください。

寝具は吸湿性、放湿性、保温性が大切

重い布団は身体が圧迫され負担がかかるため、掛け布団は軽いものをお選びいただくことをおすすめしています。特に羽毛布団は、保温性が高いだけでなく、吸湿発散性にも優れていて、厳選された羽毛を用いた布団は、最適な温度コントロールを期待できます。

夏は1枚掛けるだけでさらっと快適に過ごせるダウンケットが理想

これからの本格的な夏には、特にダウンケット(肌掛け羽毛布団)がおすすめです。タオルケットに使われるコットンは、吸汗性は高いものの、リネンや羽毛に比べると汗の乾きが遅いんです。人間は寝ている間にコップ1~2杯分の汗をかくと言われています。その汗をタオルケットが吸ったままの状態ですと冷えにつながることも。汗をかくのはいいのですが、そのまま睡眠に入ってしまうと、どうしても夜中寒くなって目が覚めてしまう。綿の場合は上手くコントロールできません。一方、ダウンケットは軽いのはもちろん、吸湿・発散性に優れ、温度と湿度調節もしてくれます。通気性がよく湿気がこもらないので、お手入れも簡単。快適にお使いいただけます。

羽毛布団(ダウンケット)「ダウナ 肌掛け」


羽毛布団(ダウンケット)「ダウナ 肌掛け」135,000〜(税込)/IDC OTSUKA
良質なポーランド産ホワイトマザーグースダウンを使用し、通気性が高く、夏場でも理想的な寝床内環境を保ちます。

洗える麻わた肌掛けふとん「THE LINEN(ザ リネン)」


洗える麻わた肌掛けふとん「THE LINEN(ザ リネン)」¥25,800(税込)
1150x奥行1600170g
IDC OTSUKA
天然素材の麻のさらり、ひんやりとした肌触りが心地よい涼感肌掛けふとんです。丸洗いできてお手入れ簡単。カバーを付けずにタオルケット感覚で使用できます。

掛け布団カバー「THE LINEN(ザ リネン)」


掛け布団カバー「THE LINEN(ザ リネン)」24,800〜(税込)
IDC OTSUKA
睡眠環境の湿度をコントロールしてくれる吸湿・放湿性と通気性に優れたリネン。熱伝導性に優れているので、生地の表面温度が体温より低い状態になると、熱を奪ってひんやりと感じられます。

──マットレスを選ぶ基準は?

実際に来店して、マットレスを体感して選ぶのがベスト

マットレスは体感していただかないと、なかなか寝心地の違いというのが分かりにくいもの。ショールームでは、理想の寝姿勢をサポートしてくれるマットレスかどうか、実際に仰向けだけでなく、いろいろな寝姿勢をお試しいただくことをおすすめしています。お好みの寝心地もさまざま。腰痛持ちなど、様々なお悩みにご対応できるよう幅広く取り揃えています。

10
20種類のマットレスを試して自分にフィットするものを

ふわっと柔らかめ、硬め、その中間のタイプをお試しいただき、あとはグレード別で、1015パターンほどじっくり試していただき、最終的にひとつに絞られます。新宿ショールームでは、100を超える種類のマットレスを展示しています。一番高いものですと、サイズにもよりますが200万円のマットレスから2万円台のものもあるので、価格帯の幅はとにかく広いですね。

REGALIA(レガリア)マットレス「インシグニア V FRCH」


REGALIA(レガリア)マットレス「インシグニア V FRCH198,000〜(税込)
IDC OTSUKA
雲の上に浮かぶような寝心地が人気のロングセラーモデル「インシグニア」。多層クッション構造で理想的な寝姿勢を保ちます。

理想の寝姿勢を保ち、体圧分散できるマットレスを選ぶ

理想の寝姿勢とは、背骨が立ち姿勢と同じ状態になっていること。それが身体に一番負担がない状態です。立っている状態をそのまま横にして、その状態をキープできるかどうかがポイントです。背骨のラインがS字のラインを描くような自然な寝姿勢(寝ているときの姿勢)が取れるかどうか。それは仰向け、横向きになったときも同様。どこかで落ちてしまうと、やはり負担がかかってしまうので、S字ラインを寝姿勢のときも自然な状態で保ってくれるマットレスが理想的です。また、凸部にかかる負担を軽減し、しっかりと身体を支えることのできるサポート力と、体重を均等に分散する力を兼ね備えたマットレスを選ぶことも重要です。

REGALIA(レガリア)マットレス「サークレット V FRCH」


REGALIA(レガリア)マットレス「サークレット V FRCH159,000〜(税込)
IDC OTSUKA
「腰部分はしっかりめがいい」という声にお応えして、スプリングには腰部分のサポート性を高める構造を採用。身体に優しい寝心地ながら、腰部分の過度な落ち込みを軽減し、身体の凹凸にしっかりとフィットします。

──枕とマットレスの相性

マットレスにあわせて枕を選ぶのがベスト

マットレスだけではサポートできない頭と頚椎を支え、寝姿勢をより理想的な状態にするために、まくら選びも大切です。枕だけ単品で選んでしまうと、マットレスとの相性があるので、枕の高さが変わってきてしまいます。あとから意外と合わなかった、など“枕難民”になってしまうことも。本来であればマットレスに合わせて寝ていただいて、枕を選んでいただくのがベスト。トータルでの寝心地になるので、マットレスにあわせて枕の高さを決めるのが大事です。

枕「ドリームクレセント」


首元は汗で蒸れにくいメッシュ素材で通気性をUP。厚みは3cmの「ハイタイプ」と1.5㎝の「ロータイプ」からお選びいただけます。枕「ドリームクレセント」9,900(税込)高さ2タイプ 幅560X奥行380(㎜)
IDC OTSUKA

枕が合わないと頭痛や歯ぎしりの原因に。
肩こり、首こりにつながる。

割と良いマットレスを購入すれば眠れると思っていらっしゃる方は多いと思うのですが、トータルでの寝心地を考えると、やはり枕とマットレスをセットで購入されることをおすすめします。

枕の高さは、寝たときの額と鼻の角度が15度なのがベスト。例えば枕が高すぎると呼吸がしにくくなり、いびきなどの原因に。首が伸びてあごが上がった状態になると、血液が頭部に下がり、血流を妨げるので不眠の原因につながることも。

──ベッドを配置する際のポイントは?

寝室に広くお部屋を確保できるケースというのは多くはないですよね。ベッドだけのお部屋という方が多いと思います。余計なものは置かずに、「寝るための部屋」というのを意識してみてください。

窓際に置いてしまうと、寒い、暑い、湿気の影響を受けやすいので可能でしたら窓際ではなく壁際に寄せたほうがいいと思います。逆に壁にベタっとくっつけてしまうと、そこで湿気がこもってしまうこともあるのでメンテナンス的にも壁からも510cmほど離していただいたほうが良いですね。

──ベッドの寿命は?

マットレスの寿命は、スプリングやクッション層の構造によっても変わり、使い方によっても異なるので、一般的には10年前後が目安です。腰の部分のへたりや、ご購入時と比べて、スプリングが背中に当たるような底づき感が出てきたなど、ご自身のマットレスに、買い替えのサインが出ているかをチェックしてみてください。長く快適にご使用いただくためにもマットレスのローテーションをおすすめしています。上下の位置や両面仕様の場合は入れ替えて使っていただくと、長くご使用いただけます。ただマットレスもある程度使用すると、どうしてもヘタってきます。身体に違和感を覚えたり、前と比べて寝つきが悪くなったと感じたときは、見直しの時期かもしれません。

SLEEPING BEAUTY・後編】は快適な睡眠に入るための運動&食べ物についてクローズアップします。

text:MIYUKI NEZASA

2024.07.01
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