冬の気配が訪れるころ。「静かに心を整え、日本の美にふれてみたい」と感じる人も多いのでは。そんな多感な人におすすめなのが、住友家で受け継がれた、能と茶の文化に光をあてる企画展「もてなす美 ― 能と茶のつどい」。人を迎え、心を通わせるために育まれてきた“もてなし”の美意識を、能装束や面、茶道具のひとつひとつから感じ取ることができます。一年の締めくくりに静寂の中に息づく日本の心を感じてみては。
《紅地時鳥薬玉模様縫箔》江戸時代・18世紀 泉屋博古館東京
《小井戸茶碗 銘 筑波山》朝鮮時代・16世紀 泉屋博古館東京
《白色尉》桃山時代・16世紀 泉屋博古館東京
住友家の当主たちは、教養として能や茶の湯を深くたしなみ、自ら舞や茶会を催して客人をもてなしてきました。ここでは、そうしたもてなしの場を彩った能装束や面、茶道具など、住友コレクションとして伝わる貴重な品々を紹介しています。なかでも十五代当主・春翠が能楽師・大西亮太郎とともに収集した装束や道具類は、美と技を極めたコレクションとして知られるもの。春翠が実際に舞に用いた装束や、歴代当主ゆかりの能面など、一つひとつに受け継がれた美意識が息づきます。能と茶の湯――二つの世界を通して、住友家が育んできた“もてなす美”の粋に浸ってみてはいかがでしょう。
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2025年秋季 企画展「もてなす美 ―能と茶のつどい」
■会期 2025年11月22日(土)〜2025年12月21日(日)
■会場 泉屋博古館東京
■住所 106-0032 東京都港区六本木1丁目5番地1号
■時間 11:00〜18:00
※金曜日は19:00まで開館 ※入館は閉館の30分前まで
■休館日 月曜日
■入館料 一般1,200円(1,000円)、学生600円(500円)、18歳以下無料
*学生および18歳以下のかたは証明書の呈示が必要です
*20名様以上の団体のかたは( )内の割引料金
*障がい者手帳等をご呈示のかたはご本人および同伴者1名まで無料
■TEL 050-5541-8600(ハローダイヤル)
text:UMI TSUKINO
2025.12.16