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ファッション業界から美容業界に転職 食の大切さに気付き現在はローフードマイスターとしても活躍中

都田恵理子

PR・ローフードマイスター
都田恵理子さん48

PRとしてファッション業界から美容業界へ転職し、華やかな世界に身を置きながらもハードな毎日を送っていた都田さん。ある日、無理が重なり体調を壊し救急車で運ばれたことをきっかけに食を真剣に見直すことに。現在はPRの仕事の他に、ローフードマイスターとしても活躍中。東京と千葉の二つの拠点でデュアルライフを送る、その軽やかな生き方に迫ります。


──都田さんは、ファッション&ビューティのどちらの業界でも働かれていたんですんよね?

はじめにファッションのプレスをしておりまして、7年ほどファッションの仕事をさせていただいた頃に、化粧品の仕事もしたいなと思っていたんです。オーガニックの新しいブランドができるとの話を聞き、新規事業の立ち上げだったのですが、オーガニックコスメの会社に転職しました。

ファッションプレス時代の都田さん

ファッションプレス時代の都田さん。

──ファッション業界からコスメ業界に転職して大変だったことは?

それまでファッションのことしか知らなかったので、もう何もかもが大変でした!新規事業ということもあり、社内にもともと広報という部署がなく、それもあって、自分でお客様を開拓していくと言う意味ではやりがいがありました。

ただ、恵まれていたことに人間関係の大変さはなかったんです。スタートした当初は小さな部署だったのですが、業界に先駆けてオーガニックの切り口でサステナブルを提案し、今ではその分野でのパイオニア的な存在に。

──ローフードに出合うきっかけは何だったのでしょう?

32歳のときに美容業界に転職をしたんですけど、6年後の38歳のときに「ローフードマイスター」1級の資格を取得。ちょうど、転職して6年目、7年目の時期で、仕事も脂が乗り始めた頃。慣れてきた分、仕事をがんばりすぎていたために、日々の食事がとてもひどかったんです。

体調不良で救急車に2回運ばれたことも!
食を見直したことからローフードと出合う

食の知識ってなかなか誰かに教わるものではないですよね。体調不良が続き、救急車で2回も運ばれるという生活。どちらも同じ症状で、胃腸炎。夜も遅く、当時は外食も多かったですし、食事の時間は決まってはいたのですが新規事業ということもあり、決まった時間に食事が摂れないことも多くありました。お菓子や便利なもので食事を済ませるなど、食をおろそかにしていた結果ですよね。

そうすると胃腸炎になったり、風邪もひきやすかったですし、体調がおかしいなと思いつつ、ごまかしながら働いていたんです。そこからマクロビオティックなど、いろいろ食事の勉強をするように。たまたま「ローフード」というのをSNSで発見して、その先生にお会いしたというのが、まず興味を持ったきっかけでした。

オーガニック系の化粧品には、厳しい基準があり、自然の恵みを生かすことで、環境や動植物への負荷をなるべく抑えるような処方を組みます。食材にも興味を持ったことから日本リビングビューティー協会というところで、きちんと勉強をしました。ちょうどその頃、仕事と仕事のあいまで2ヵ月ほど時間ができそうなタイミングがあり、2ヵ月間、集中して勉強をし、何とか1級を取得することができました。

──そもそもローフードとは何ですか?

なるべく食材の栄養素を壊さずに
効率よく摂る非加熱の調理

非加熱の調理。なるべくその食材の栄養素を壊さずに、効率よく摂るというのが基本的な考え方です。火を使わないというのが、多忙だった当時のライフスタイルから魅力をすごく感じたんです。調理をせずとも、簡単に効率よく健康になれるのではないかと思い、ローフードを本格的に勉強し始めました。

酵素いっぱいのスロージュース
酵素いっぱいのスロージュース。

お野菜中心で、お魚やお肉は基本的には食べないのでヴィーガンフードの一種になりますね。乳製品も摂りません。ただ学んでみて思ったのが、〇〇しか食べないとか、動物性だから他の食事は一切摂らないとか、そういう極端な食事法ではなかったんです。ローフードを学んでいくと、例えば火を通したお料理やお肉、お魚を食べてもいいけれど、「ときにはお野菜にしませんか?」というような考え方のバランスがすごく自分に合っていて良かったんですよね。
フレッシュハーブと玄米のタブレ
フレッシュハーブと玄米のタブレ。

そのときどきによって
食事を選択する
「フレキシタリアン」に落ち着きました

そのときどきによって食事を選べるので、私は「フレキシタリアン」。フレキシブルに、心身が欲するものによって食事を選択するという食事のスタイルに落ち着きました。

ローフードは加熱調理をしませんが、47度という温度の基準があり、栄養素が死活しない温度がだいたいそれぐらいの温度と言われています。温めたり、湯せんなどはしますが、強く熱を加えた調理はしません。分かりやすくいうと「切る、和える、冷やす」それくらいの行程ですね。

──難しい調理のプロセスがないのは、とても魅力ですね。

皆さん、びっくりされます!食べ物の酵素は生きているんですけど、例えば野菜や果物は一番酵素を重視するんですよね。ビタミン、ミネラルなどの抗酸化物質という栄養素がありますが、唯一生きているタンパク質が酵素。その酵素の考え方で「酵素栄養学」という分野がアメリカにはあり、それをベースに医学的な知見から作った食事法・健康法がローフード。効果的に酵素を摂ると、すごく体質改善に繋がるんです。
見ためもキュンとするロータルト
見ためもキュンとするロータルト。都田さんが作るローフードは華やか!

──それまでと同じようにハードワークな日々を送っていても、食事を改善したことで変化はありましたか?

代謝が良くなると、てきめんに美容に効きますよね。恥ずかしながら、美容業界にいながら、肌に対しては必要最低限のケアしかしていなかったのですが、むしろ食事を改善してからのほうが、肌がキレイになったんです。

自分の身体のことって、意外と知らない

あとは便通ですね。やっぱり腸活はすごいですよね。たまたまあるきっかけで、腸内環境を調べてもらったのですが、乳酸菌が自分の腸にはないことが判明!積極的に発酵食品を摂っても、それをすぐ排除してしまうということで、腸内フローラの便移植をしました。

決意するには勇気がいりましたが、そのまま放置しておくと、ガンのリスクが上がるなど良くないと。今はサプリメントが主流の治療のようですが、当時は口から自分の腸に合う乳酸菌の菌を口から噴霧するスタイル。赤ちゃんの健康な便から培養した腸内細菌を移植しました。腸内自体はキレイだったようで、半年かけて、菌がちゃんと定着しているか経過を見ていきました。

自分の身体のことって意外と知らないですよね。今、食の仕事をしていて、自分の身体の状態を知らずに「発酵食品、いいですよ」と言ったところで説得力がない。まずは自分の身体を知り、初めて身体にいいものを摂るということのほうが、健康への近道だなと思っています。

──猛暑の日本の夏は、体調を崩される方も多いかと思いますが、どんな食べ物を摂ることを意識したほうがよいですか?

日差しが強くなってきていますし、抗酸化力のあるものをしっかり摂ることが大切ですね。食欲も落ちる時期だと思いますので、お野菜や果物も摂るようにされると良いと思います。その時期ですけど、色の濃いものを召し上がっていただく機会が多いですよね。水分の多い食材も多く出てくるので、たとえばキュウリであれば、きちんと身体を冷やす効果のあるものがおすすめです。

千葉・一宮町ではキッチンハーブの栽培も
千葉・一宮町ではキッチンハーブの栽培も。

──今後の展望を教えてください。

自身のローフードクラスにて
自身のローフードクラスにて。

現在は東京と千葉のデュアルライフ
ローフード、サーフィン、着物、茶道と
探求心は尽きない

今は東京と千葉での二拠点で生活をしています。夫が元々サーファーということもあり、千葉県の海沿いにある一宮町でも地元の新鮮な野菜を使いながらローフードのクラスを開講しています。千葉にはプロのボディボーダー、サーファー、ピラティスの先生も多く、その交流も楽しいですね。
一宮町の東浪見海岸でサーフィンをする都田さん
一宮町の東浪見海岸でサーフィンをする都田さん。

表千家流の茶道講師の資格も取得
表千家流の茶道講師の資格も取得。
サステナブルなモノコトを情報発信
サステナブルなモノコトを情報発信している。
            

今後の都田さん活動予定は、今年の12月から来年にかけて4回に渡り念願の茶道とローフードのコラボ企画を予定。心と体に優しい時間と空間を楽しみながらシェアしていくことを主旨とした日本文化とヘルシーな食事を通して、自然の豊かさを全身で感じることができる内容となっているので、要チェックです。

茶道を用いて「心を癒し、体を整えていく」
茶の湯ヒーリング協会 
https://www.chanoyuhealing.com

内容
https://www.chanoyuhealing.com/about/

またSENLYでは都田さんのローフードの料理連載が近々スタート予定!
身体にも心にも効く、華やかな都田さんのローフード料理に注目です。

都田さんのInstagram
@erikomiyakoda

text:MIYUKI NEZASA
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