モデル 畑野ひろ子さんの笑顔を繋ぐフラワーセラピー

装花

モデル 畑野ひろ子さんの 笑顔を繋ぐフラワーセラピー #4

当時、絶大な支持を得ていたファッション誌『JJ』に10代でモデルとしてデビュー。
以来、現在に至るまで第一線で活躍している畑野ひろ子さん。
妊娠をきっかけにフラワーレッスンを体験し、本格的にお花の勉強をスタート。
現在はフラワーレッスン、企業のイベントの装花を手掛けるなどフラワーライフスタイルプロデューサーとしても活躍中です。
連載4回目の最終回は「装花」と「基本的なお花のお手入れ」ついて伺いました。

──「装花」はお花のアレンジとは、また別の世界観ですよね?

装花

全く違います! 実は装花を作っているときのほうが、個人的には楽しいですね。
まだまだ勉強中ですが「こういうイメージにしたいから、中はどうしよう?」と
チームのみんなと一緒に考える時間が、わくわくするんです。

オーダーをいただいてから、制作していく過程がこちら側も楽しくて。ハプニング続きで大変な面もありますが、出来上がったときも「あっ!!出来たね!!」と、写真を撮るときの達成感はやめられません。

真夏の装花では、3日~4日ある展示会の場合、生花をずっと長持ちさせるのはほぼ難しいこと。そういうときには前回紹介したネイティブを入れたりすることも。この時間までに仕上げるという締め切りありきなので、本当と時間と体力の勝負です。

QVCさんのそのときのテーマが赤ということで、その時期の雰囲気を生かしつつ、ボリュームを出してアレンジしてみました。こちらの装花は2日に分けて制作。モスという芝生みたいな「モスシート」というものを、あたかもそこに生えているかのような空間に。この時はスタッフ1名とWILL GARDENのレッスンで初期の頃から来てくださっている生徒さん達と一緒に。強化レッスンを経て、今はもう何でもできるようになっている方たちにアシスタントとして参加していただき4人で担当しました。

ファッションブランドの「サードマガジン」さんは、毎回装花を担当させていただいています。赤いモコモコしたスモークツリーの赤をポイントに。

ファッションブランド「OLD ENGLAND」の店内装花。
ブランドイメージの赤をメインにデザイン。

ジュリーブランド「STELLA HOLLYWOOD」の展示会にて。
グリーンというオーダーで、夏っぽいグリーンを意識した装花。
グリーンは影に映ったときもお洒落。影も一緒に楽しめるのも魅力。

──こういうグリーンだけのアレンジも、自宅で取り入れられたら素敵だなという憧れがあります。

グリーン一色だと、ベタッとしたグリーンになりがちですが、お花の花びらの形状の異なるグリーンを何種類か入れることで立体感が出て、一気に奥行きも出るんです。
こういう楽しみ方もすごくいいですよね。

──普段何気なく、お店に飾られている素敵な装花を見るのも楽しいですよね。

新店のときなど装花は、縁起的なものも取り入れるようにしています。アウディの店内装花のときは、下から枝をグッと入れて、力強さや根が根付くイメージに。車の展示スペースもけっこう大きかったので、装花を手掛けてきた中で過去で一番空間が広かったですね。そこに負けないような形に仕上げるように努めました。

ドライになっても変わらず楽しめるネイティブフラワーを取り入れた。
「サスティナビリティ」をコンセプトに装花。

──最後に知っているようで知らない、お花の基本のお手入れをぜひ伺いたいです。

お水は毎日変える

お部屋の環境にもよりますが、私たちは冷蔵庫みたいな寒い環境にはいないですよね(笑)、お水は毎日入れ替えても腐敗していくものなので、はじめにいれたお水のままでいるとあっという間に萎れてきてしまいます。

茎は必ず1~2cmカットして
キレイな断面図を作ってあげる

基本的なことではありますが、お水を変える度に茎のぬめりを取るように。
水に浸かっていた茎の部分はしっかりと洗ってあげてください。
まずぬるっとしたものを取り、新しいお水に変え、もう一度お花を戻すときには
必ず茎を1~2cmカットしてください。そうすると水がしっかり上がります。
茎の断面図が崩れてくると、水を吸わなくなってしまうんです。
あとは、お水に入る部分の茎の葉は全部取ると大分違います。

お水の量も、茎のやわらかさや、いろんな種類によって違うんですよ。
ある程度お水をいれたほうがいいのもありますが、茎が柔らかいものだと常に水に浸かっている部分が崩れてしまうので、茎の下をカットして新鮮な茎を出していくことが大切。

例えば茎がやわらかいチューリップはだんだん茎がカーブしてくるじゃないですか。
それがまた美しさでもあるので、正解はありません。
頭の重みで、どうしてもまっすぐ立っているのが難しいので“カーブを遊ぶ”のも素敵ですよね。
花器の間口が狭いものではなく、チューリップを最初から寝かせて生けるというお洒落なスタイルも海外ではよく見かけます。

フィニッシングスプレーで
花びらの乾燥を防ぐ

ホームセンターなどで購入できるのですが、花びらの乾燥を防ぐものがあります。
私たちのレッスンときには必ず最後に、生徒さんたちに「フィニッシングスプレー」をかけてもらっています。花びらの表面の乾燥を防ぐことも長持ちの秘訣。

ダリヤなどは、花びらの裏側もけっこう乾燥しがちなので、裏側もつけてあげてください。
そういうものをプラスアルファで使っていただくと、よりいいですね。
あとはクーラーや暖房の風に絶対あてない、直射日光をできるだけ避けてあげる。

おすすめの花器は間口が狭く、
下のフォルムが広がっているもの

よくお友達にも「どんな花器を買ったらいいの?」と聞かれることが多いんです。
まずインテリアがそれぞれ違うので大まかにはなりますけが、お花を大量に生けるのは買うのも維持するのも大変ですよね。気軽に続けられてお花を楽しむということであれば、今はお花を1本から購入できるお店が増えましたよね。

お店で売っているお花は40cm以上のものが多いと思うので花器は30cmくらいの高さがあり、5本程度のお花が入る間口でくぼんでいるデザインのものが一番使いやすいと思います。

上から一回くびれがあって、下のフォルムがちょっと広がっているようなもの。
例えばお花1本でもお洒落に見えますし、自分の気になったお花を2~3本
生けるだけても、そのフォルムの花器に生けるとお花の広がりがX型になって飾れます。
長さの調整をするだけで、洒落た感じに飾れると思います。

【PROFILE】
畑野ひろ子/モデル、フラワーライフスタイルプロデューサーとして活躍。自身が運営する「WILL GARDEN」では、お花の定期サービス、アレンジレッスンなどを通した“花育”で心が豊かになる活動をしている。
Instagram:@hiroko_hatano_
Instagram:@willgarden_official

text:MIYUKI NEZASA

戻る