自身の千葉の別荘は、泉さんの愛が詰まった動物たちが心地よく過ごせるような空間。まさに「エンリッチメント」な環境づくりのこだわりと、保護犬についてのお話を伺いました。
動物たちが幸せなら、私も幸せ

千葉の別荘にて。
「自分の休日=動物たちの休日。動物がハッピーなら私もハッピーなので、千葉の別荘は動物のためとは一概には言えないけど、私なりに考えて作りました。老犬が増えたので、階段をなくしたいな。そしたら平屋にしよう!とか、風を感じられるエリアが欲しいなと思ったら、ウッドデッキを作ったり。お庭は太陽と風が感じられて、ミストで水をあげられたりできるようにしています」
今では動物園などでも「エンリッチメント」(動物が豊かで幸せな暮らしを実現するための方法)キーワードとなっているが、その言葉を体感したのは、泉さんがまだ子供の頃だったそう。

陽当り、風通しのいい気持ちいいウッドデッキにて。
「子供の頃、飼っていた動物は、爬虫類やハムスター。それも私が学校から連れて帰ってくるんですけど(笑)。そこで返してきなさいという親ではなくて、うちに連れて帰ってきたら、その子に一番合う環境を作ってあげよう!と、例えばハムスターのために木の枝や葉っぱをなど、自然を味わえるものを家に入れてあげるんです。今でいう「エンリッチメント」ですよね。母親がアメリカ人なので、今思うとかなり先の感覚を取り入れていたんです。家の中でも、動物たちに自由に刺激を与えられるようにしてあげたい。常にどうしたら少しでもいい環境を与えられるかなというのを考えていますね。もちろん失敗するものもあれば、成功するものもあります」
小さい頃、ワンちゃんが飼えなかった
反動が今なんです(笑)

「実は小さい頃、母親の教えもあって、ずっと犬だけは飼わせてもらえなかったんです。ワンちゃんを飼うなら、大きな庭があって、走らせてあげたいというのが母の考えなので。何回かワンちゃんを連れて帰ってくるのを試みたんですが、次の日、学校から帰宅するとワンちゃんはいなくて……。その反動が今なんです(笑)」
泉さん流の飼い方のこだわりは?

ワンちゃんたちの女王様になっている娘さんと。
「うちの子育てルールではないけど、子供もみんな一人ひとり性格が違いますよね。動物たちも一緒に寝たくてベッタリしたい子もいれば、自分のスペースで一人で寝たい子もいるんです。よく多頭飼いって大変じゃない?って言われるんですけど、うちの場合は新しいワンちゃんがくると、先住犬がいろいろ教えてあげるんですよ。もともと、群れる動物ではあるので、ビビリな子がきても安心できるんじゃないかな。犬種によっても、それぞれ性格が違うし、個性があるから、そこを見極めて自分の子たちが何を求めているかを判断するのが大事なんじゃないかな。最近は、娘がごはんをあげたり、すごく手伝ってくれるようになったんです。面白いですよ、娘が動物界の女王様になっていて(笑)。私の手からは食べないけど、娘の手からは食べることも。私のほうがいつもお世話にしてるのに!って(笑)。動物と子供って通じ合えるものがあるのか、私より早く仲良くなったりするんです」
「あとは獣医さんといい信頼関係を築くことですかね。私の場合、長年診てくれている獣医さんがいて、私の飼い方も熟知しているから、私と動物に合った治療方法を教えてくれるんです。はじめはいろいろな獣医さんに会ってみるべきだと思いますね。ある程度、自分で調べることも大事だと思います」
今、一緒にいるワンちゃんは
ゆきちゃん以外はみんな保護犬

「今、ワンちゃんは7匹飼っているんですけど、ゆきちゃん以外はみんな保護犬。ゆきちゃんはホームセンターで1万円で売っていたの。ケージから出してあげたくて、連れて帰ってきたんです。保護犬は一時預かりをして、次の飼い主さんを探しているんだけど、なかなか、おうちが見つからない子は、うちの子になることも。保護犬はある日をきっかけに変わるの。気付いたら、他の子がやっているのを習っているのか分からないんだけど、急に私になついてくれたり。そこが保護犬の面白さでもあるし、たまらない可愛さがあるんです。当然なつくまで早い、遅いはあるんだけど、それもその子の魅力ですよね」
動物たちからたくさん学び
救われています

「よく、保護犬を飼っていてすごいね、偉いねと言われるんですけど、好きでやっているだけなんですよ。だから偉いねとか言われると、逆にちょっと申し訳ない気持ちに。毎日、歯を磨くでしょ?それと一緒。どちらかというと家族が偉いかな(笑)。ひとりではお世話できないし、家族の協力があってこそ。本当に助かっています。楽しいって思うこともあれば、大変なこともあるから紙一重。動物たちから学ぶこともたくさんあるし、救われている部分がたくさんあるんでしょうね」
保護犬との別れは寂しくないのか聞くと、
「悲しまない」と泉さんは即答だった。
「飼い主が見つかって、保護犬と離れることに関しては、悲しまない。そこは自分の中で徹底しています。引き取り先の飼い主さんが、ちゃんとみてくれる自信があるので、悲しさはないです。この前もゴールデンレトリバーを一時預かりをしていたのですが、半年間家にいたので、飼い主が見つからないだろうなと思っていたら見つかったの!“はいどうぞ!いってらっしゃい!”って笑顔で見送っています。何年後かに会うことがあるんですけど、みんなね、顔つきが変わっているの。それをみて、あ~、今幸せなんだなって実感します」
トリマーの学校に通い始めました!
自分の子たちは、自分の手でトリミングしてあげたい

「今年の1月からトリマーの学校に通い始めたの。前からやりたいと思っていたんですけど、ずっとチャレンジできていなかったから、やっと今スタート。10代、20代の若い子達と一緒に、勉強しています。好きなことだから、楽しいです。自分の子たちくらいは自分の手でトリミングしたいという思いと、やっぱり老犬になると、外に出るのがちょっとストレスになってくるんです。だから自宅で私がなるべくケアしてあげて、ストレスなく生活させてあげたいですね」
東京とワンちゃんたちとのびのび過ごせる千葉の別荘のデュアルライフを満喫しているライフスタイルは私たちの憧れ。トリミングの学校を卒業した際には、泉さんの手によりトリミングされたワンちゃんたちをSENLYで紹介してもらえる日を楽しみにしています。
【PROFILE】
森泉/芸能界きっての動物好きとして、多くのTV番組に出演。得意のDIYを生かして千葉の別荘をリノベーションするなど、ライフタイルにも注目。
Instagram:izumi.mori
text:MIYUKI NEZASA