最近何かと世間で話題の「歯周病」。歯周病は、日本人が歯を失う最大の原因ですが「自分には関係ない」と流しがち。でも実は健康と深く関わり、認知症や糖尿病、心臓病などのリスクを高めることが最新の研究で明らかになっています。そこで重要なのがなんと「歯磨き」。この連載では虫歯や歯周病を未然に防ぐ「予防」と治療後の再発を防ぐ「メインテナンス」を重視している歯科医師・小橋健史朗氏に植松晃士が歯磨きと美と健康について教えてもらいます。

植松
SENLY世代って、美容に関してはもちろんだけど、健康についても老化と真剣に向き合い始める世代なんですよね。そこで僕が注目しているのが「口腔ケア」。30代以降、とくに更年期を過ぎると歯周病の発症率が高まるって聞いたんですけど、先生、本当でしょうか?
Dr.小橋
更年期のホルモンバランスの乱れは唾液の分泌量低下、すなわちドライマウスを引き起こします。唾液の分泌量が減ると、口腔内の自浄作用も低下するため、歯周病リスクが高まるのは本当です。
植松
歯周病になると口臭がキツくなったり歯がグラグラしたり、最悪、歯が抜けちゃうんでしょう? それってすごく怖いですよね~!

歯周病が認知症を引き起こす?!
Dr.小橋
怖いんですよ(笑)。ただ、実際検診をしていて、歯周病が疑われるとされる「歯周ポケット4mm」の人って多いんですよね。だから歯周病は、誰にとっても他人事じゃないと思った方がいい。歯周病が関係するという疾患はたくさんあるんです。アルツハイマー型認知症もその一つ。
植松
昭和のドラマで、朝ご飯を済ませた認知症のおばあさんが息子に「朝ごはん食べた?」って聞かれて「嫁が朝ごはん食べさせてくれないのよ~」って訴えて「お義母さんボケちゃったんじゃない?! さっき食べたばっかりでしょ!!」なんて嫁が怒るシーンがありましたよね。感情のコントロールができなくなって自分の本性が出ちゃったり、自分がしたことを覚えてなかったりするのは恐怖でしかない!
Dr.小橋
アルツハイマー型認知症は、何らかの原因で脳にアミロイドβという特殊なたんぱく質がたまり、それが神経細胞を破壊して、脳が萎縮することで発症します。アルツハイマー病で死亡した患者の脳組織から、⻭周病菌が検出されたという研究報告もあり、さらなる研究が進められています。だから歯周病を予防するためにも毎日の歯磨きを大切にして欲しいんです。

歯周病予防にはまず歯磨き!
植松
じゃあ、これから毎回「歯磨き」のポイントを一つずつ教えていただけますか~!
Dr.小橋
歯周病は、⻭⾁や⻭槽⾻に深刻な炎症が起こってもほとんど痛みを感じないため「沈黙の疾患」とも呼ばれています。それを防ぐための毎日の歯磨き、基本は朝晩でいいですが、何かを食べた後など歯がざらついたと感じたら即、磨くこと。だから歯ブラシを携帯する習慣を身につけるのがポイントです。
植松
何かを口にしたら、うがいや、歯磨き粉をつけなくても、とりあえずザラザラを磨いちゃえばいいんですね。大人にとって大切なルーティーンにしたいと思います! では、次回は「適当な歯磨きで糖尿病に?!」をテーマに教えてもらいましょう!

医療法人社団 献優会 理事長
小橋健史朗
日本口腔インプラント学会
日本訪問歯科協会
日本小児歯科学会
歯の寿命を延ばす会
日本ヘルスケア歯科学会
PEG・在宅医療学会(嚥下機能評価研修会)所属
患者さまにとって最良の治療をすることを目指して埼玉と神奈川にクリニックを構え、歯科医院に通えない方のために「訪問歯科診療」にも積極的に取り組んでいます。
KENデンタルクリニック
https://www.ken-dentalclinic.jp
LaLaクリニック
https://lalaclinic.com/
2025.12.29