パウル・クレー《⾚、⻩、⻘、⽩、⿊の⻑⽅形によるハーモニー》1923 年 パウル・クレー・センター
人生の根源的な悲劇性と向き合いながら、線と色彩で光を呼び起こして、抽象的な作品の中に生命力や希望を描き出す。独特かつ多彩な表現で芸術界に影響を与えたスイス生まれの画家、パウル・クレー(1879-1940)。その魅力に迫る展覧会「パウル・クレー展 ── 創造をめぐる星座」が愛知県美術館で2025年3月16日まで開催中です。
クレーはその独特の画風から孤独な芸術家と思われがちですが、彼も同じ時代を生きた前衛芸術家たち同様に、仲間と刺激を与え合い夢を共有しながら生き抜いた人物でした。

パウル・クレー《チュニスの⾚い家と⻩⾊い家》1914 年 パウル・クレー・センター
会場にはスイスの「パウル・クレー・センター」や「バーゼル美術館」のほか、日本各地の美術館からクレーの作品が集結。彼の代表作である『チュニスの赤い家と黄色い家』や『窓のあるコンポジション』のほか、日本初公開の作品を複数展示。

ヴァシリー・カンディンスキー《緑に向かって》1928 年 パウル・クレー・センター(リヴィア・クレー寄贈品)
さらに、ヴァシリー・カンディンスキー、アウグスト・マッケ、フランツ・マルクなど、クレーと交流があった芸術家たちの作品も並びます。
困難な時代を生き抜いて自分の芸術を貫いたクレー。彼を取り巻く人々や情報を星座のように結びつけて、新たな視点からクレーの生涯を捉え直し、その創造の軌跡をたどります。
パウル・クレー展 ── 創造をめぐる星座
開催期間
2025年1月18日〜3月16日
会場
愛知県名古屋市東区東桜1-13-2 愛知芸術文化センター10階
愛知県美術館
観覧料金
一般:¥1,800
高校・大学生:¥1,200
中学生以下無料
text:YUTA OTAKE