SENLYマネー塾
SENLYマネー塾#1 今からでも遅くない!「投資」について
SENLY世代の読者たちの多くが「NISAとか投資とか、よく耳にはするし、なんとなく気にはなっているけれど、手を出しづらい」 と感じています。そこで具体的にどうしたらいいのかを、運用のプロである今泉光雄先生に教えてもらう連載をスタート! 女性にもわかりやすく、後悔しないマネー術をご紹介します。
初めまして。長野県信用組合資金証券部で、外国為替と外国債券の運用を担当している今泉です。最近、「人生100年時代」というフレーズをよく耳にします。特に、金融や保険のTVコマーシャルを見ていると、10人中9人は100歳まで生きられる時代のような勘違いをしてしまいますよね。元気なままで100歳なら嬉しいけど…実際にはどうなのでしょう?
令和7年7月25日に厚生労働省が発表した「令和6年簡易生命表」 (https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life24/index.html)によると、2024年の平均寿命は、女性87.13年、男性81.09年だそうです。ご参考までに、同統計によると、私が大学生をしていた1985年(昭和60年)の平均寿命は、女性80.48年、男性74.78年です。「SENLY」の読者の皆様にとっては、この先の人生はまだ40年以上謳歌できるということですよね。ということは、40代、50代からの「投資」は決して遅くはありません。
昭和の時代と違って、現在は60代でもバリバリ働いている人たちは大勢います。「私は70歳までバリバリ働くの!」と自信満々で意気込んでいる方もいらっしゃるでしょう。ただ、会社の役員まで上り詰めた人や家業を継いだ社長の方、天下りの公務員は別として、大半の会社員は出向や嘱託といった形で50代・60代で年収が減ってしまうのではないかと思います。そのような状況になったとき、「老後」という言葉が頭をよぎり始めるかもしれません。読者の皆様が受け取れる公的年金はいくらですか? ご自身の「ねんきん定期便」等でご確認いただければ分かると思いますが、それを見てしまうと「老後」という言葉がさらに重く圧し掛かってくることでしょう。
そこで新たな選択肢として 「投資」とは、自分自身の将来(老後)をキラキラ輝かせるためのものと考えていただきたいです。なんか、いいですよね。「キラキラな人生」、「キラキラな老後」。ところで「キラキラ」って何?と聞かれてしまうと、「それは、キラキラですよ」としかお答えできない私をお許しください。
「投資」と「投機」の違いって?
「投資」(英語 investment)をデジタル大辞泉で調べてみると、①利益を得る目的で、事業・不動産・証券などに資金を投下すること。転じて、その将来を見込んで金銭や力をつぎ込むこと。
一方、「投機」(英語 speculation)は、①利益・幸運を得ようとしてする行為。②将来の価格の変動を予想して、現在の価格との差額を利得する目的で行われる商品や有価証券などの売買。 とかく「投機」は「悪」のように扱われます。かつての日本では、海外のヘッジファンドを「投機筋」とか「ハゲタカ」と呼んで、「外国人=目先の利益」とか「外国人=乗っ取り」みたいな扱いをしていました。確かにそういう外国人もいたことは間違いありませんが、全部が全部そうだったわけではありません。
ここでお話しする意味では、私個人の解釈は、「どっちも一緒」です。強いて言えば、「短期」か「中長期」かの違いかもしれませんが、どのくらいの期間が短期で、何か月以上、何年以上が中長期かといった、明確な区切りは無いと思っています。
例えば、手元に現金30万円があるとします。「将来倍になったらいいなあ」とA株を買ってみました。10年後にA株が倍になって「よかったよかったぁぁぁ」というのと、たまたま翌日のA株が倍になって売却して「儲かった儲かった」とは、さして違いはないと思います。最初の段階で「長い目で見て」と思って参入するなら、それは「投資」と考えていいと思います(まぁ、翌日倍になったら、私だったら売るだろうな)。
「投資」って怖くないですか?
「投資」を怖いと思うのは、「損するかもしれない」、あるいは「騙されているかもしれない」、という思いがあるからです。なので、複数の専門家の意見を聞いて自分が納得して投資したものであれば、「騙されているかもしれない」という思いはなくなります。ただし、10人に聞いて10人全員が「買い」と言っていたのに暴落するというケースも無いわけではありません。だって、(株やドル、債券等が)上がったら儲かる商品を販売している人たちが、下がる(落ちる)話をするわけがないですよね。だから、上がったら「買い」、下がったら「買い」、大暴落しても「買い」、としか言わない人がTVに良く出ているのを見かけます。
あとは、素性・出所の分からない人間からの投資勧誘、LINEでの投資サークルからの勧誘、SNS等での投資勧誘には、「着拒」、「ブロック」、「迷惑メール報告」、「通報」を勧めます。絶対に返事・応答はしない。
「損するかもしれない」という恐怖は常にあります。私もそうです。元本部分の価格が変動する商品を買えば、損をするリスクは必ず発生します。株式変動リスク、金利変動リスク、為替変動リスク等。
ですから、「絶対損をしたくない」という人は、「預金」、「貯金」、「掛け捨てにならない積立保険」のような、元本保証商品がお勧めです。これらも立派な投資商品ですが、期待利益は小さくなります。個人年金保険でしたら、給与控除の対象というメリットもあります。
今月号のまとめとして、私が考える「投資」の注意点を書いてみました。
① 決して一人だけの意見に飛びつくのではなく、複数の専門家の見方を参考にする。(円高論者と円安論者、株高論者と株安論者等、双方の見方を聞いて、自分で判断!そうすれば、あとで TVに向かって指さして、「お前のせいで・・・」とか「嘘つき野郎」とか、文句を言わなくて済みます。とかく人間は、「損したら他人のせい」、「儲かったら自分がすごい」と思いがちです)
② 100%相場が当たる人はいないと思え!
TVに出ていようがそうでなかろうが、すごそうな肩書がついていようがついていまいが、外資系金融機関であろうが日系金融機関であろうが、外国人であろうが日本人であろうが、誰がしゃべっても「当たるも八卦、当たらぬも八卦」。(日本人は“Give me chocolate”根性が抜けていなくて、「外国人が言っているから・・・」とか「外資系の方が相場は当たる」と勘違いしがちです)
③ 無理のない金額での投資を心がける。
1日3食のごはん代を節約して投資するとか、借金して投資するのはNG。まあ、お酒飲むのを我慢して投資は許容範囲かな。気持ちに余裕がない投資は、毎日の相場の動きに一喜一憂して、本来の自分の生業(会社での仕事、家事、子育て、睡眠・・・)を崩してしまう可能性があります。特に下落相場が続くと、ご飯食べられない、眠れない、仕事どころではない、子育てどころではない・・・、といった望ましくない結果を招きかねません。
心にゆとりのある投資は、いつの間にか貯まっていた、いつの間にか増えていた、のスタンスで!
次回は「NISA」、「積立NISA」についてわかりやすくご説明しますね。
【PROFILE】
Mitsuo “Dave” Imaizumi
北海道苫小牧市生まれ。1987年一橋大学法学部卒業後、三井銀行入行(後に、太陽神戸三井銀行、さくら銀行、三井住友銀行)。1992年から外国為替マーケット業務に従事。1997年~2001年にニューヨーク勤務。大和証券SMBC、メリルリンチ日本証券、大和証券チーフ為替ストラテジストを経て、定年退職後の現在は、長野県信用組合資金証券部(預金量1兆円規模)で、為替・外国債券で数百億円の運用を担当。
・座右の銘:驕る平家は久しからず
・モットー:客に買わせる相場観ではなく、お客様に勝って頂く相場観を目指したい











