アジアのみならず世界中で話題となっている韓流ドラマ。その主演俳優たちは、ファンミーティングを開催すれば1万人規模のファンが集まるなど、まるでアイドルさながらの人気ぶりです。とはいえ、次々と登場する話題作の中で「何から観たらいいの?」と迷ってしまう方も多いはず。そこでSENLY★韓流サランヘヨでは、旬の俳優と共に、今観るべきおすすめ作品とその見どころをご紹介していきます。第15回でご紹介するのは、ユン・ゲサンです。
『誘拐の日』 Prime Videoで独占配信中 ©ASTORY Co.,Ltd ©KT StudioGenie Co.,Ltd ©ENA
若手のイケメン俳優が目立つ中、実はこのところ、40代のイケオジたちのドラマがとにかく熱いのです。今回ご紹介するユン・ゲサンもそのひとり。ワイルドさも併せ持つ彼は、なんとアイドルグループ出身。1999年にデビューした男性5人組「god」は、現在のK-POPブームを築いた第1世代の国民的アイドルグループです。絶大な人気を誇る中、ユン・ゲサンは2004年から俳優業に本格転向。ラブロマンスから悪役まで幅広い役柄に挑戦し、演技力を磨いてきた“元祖・演技ドル”でもあります。そんな彼のおすすめ作品のひとつが2023年に放送されたPrime Videoで独占配信中の「誘拐の日」。不器用な誘拐犯と頭脳明晰な天才少女の絆を描いたヒューマンミステリーは、日本でも斎藤工主演で今年リメイクされたばかりですが、その韓国版で主演を務めたのがユン・ゲサンなのです。
『誘拐の日』 Prime Videoで独占配信中 ©ASTORY Co.,Ltd ©KT StudioGenie Co.,Ltd ©ENA
彼が演じるのは、シングルファザーとして娘を育てる冴えない中年男ミョンジュン。大事な娘が難病であることをきっかけに、元妻ヘウン(キム・シンロク)から身代金目的の誘拐を持ちかけられます。気弱で子煩悩なパパの顔を持つミョンジュン(ユン・ゲサン)は、治療費の工面のため、葛藤しながらも誘拐を決心して豪邸へ。すると誘拐対象の11歳の少女ロヒ(ユナ)が偶然にもぶつかってきて・・・。気絶したロヒを家に連れ帰ると目覚めた彼女は記憶喪失に。その記憶喪失を利用して身代金を得ようとするミョンジュンですが、ロヒの両親の他殺体を発見し、殺人容疑者として警察に追われる羽目に。本来なら、誘拐犯と人質のはずの2人ですが、誘拐されたロヒは頭脳明晰な天才少女。大人のミョンジュンを顎で使うという何ともコミカルで奇妙な関係で逃亡劇が始まります。身に覚えのない殺人の濡れ衣、巨大な陰謀やロヒの記憶喪失に隠された謎に立ち向かううちに、お互いを信頼し、絆を深めていくバディのような2人。スリリングなサスペンス展開だけでなく、傷だらけになりながらもロヒを守ろうとするミョンジュンの必死さ。そして天才子役ロヒの演技力も加わって号泣必至のドラマとなっているので、ぜひご覧ください。
Netflixシリーズ「TRY ~僕たちは奇跡になる~」独占配信中
そして、ユン・ゲサンの最新おすすめ作品は、韓国ドラマ初となるラグビーを題材にした青春スポーツドラマ『TRY ~僕たちは奇跡になる~』です。日本では、15人制ラグビーに見慣れた人も多いと思いますが、このドラマでは7人制ラグビーをモチーフに、ユン・ゲサンは、かつてドーピング疑惑でラグビー界を追放された元スター選手、チュ・ガラムを演じます。3年間の沈黙を破り、母校である漢陽(ハニャン)体育高校の監督に就任したチュ・ガラムですが、過去にドーピングをした監督のことを、部員たちはなかなか認めることができずにいます。でも試合に負けたら廃部という状況に追い込まれる中、部員たちに勝つことの喜びを熱く指導するチュ・ガラム(ユン・ゲサン)に、部員たちも次第に信頼を寄せ、絆が深まっていくのです。学校内の派閥勢力の妨害などもはねのけ、万年最下位のチームを大統領杯で優勝させるべく奔走するチュ・ガラム(ユン・ゲサン)。実は、体調の秘密も抱えていて・・・。監督と選手の師弟愛、ラグビーの本質でもある「One for All, All for One」の精神やハラハラする試合の行方。”やっぱり青春スポーツドラマは最高!”と涙と汗の感動のラストが待ち受けています。包容力と優しさ、おちゃめさと大人の色気を併せ持つユン・ゲサンの魅力をぜひ堪能してみませんか?
【PROFILE】
韓流ライター 橋本嘉美
「冬ソナ」時代から韓国ドラマを見始め、「私の名前はキムサムスン」でヒョンビンにドはまり。以来、イケメン俳優たちの成長を見続けて早20年ですが、これまでに見たドラマや映画、バラエティは数百本以上。韓国俳優たちのファンミフリークでもあるので、彼らの素顔などもご紹介していきます。
text:YOSHIMI HASHIMOTO
2025.11.07