☆お悩み1
鏡を見て毎回がっかりする頬のたるみやあごのラインの崩れ。首のシワっぽさなど、顔の下半身部分に有効なお手入れを教えてください!
★Answer
頬や口元、フェイスラインなど顔の下半分の「たるみ」は進歩した美容医療のなかでも改善が難しいお悩みのひとつです。というのも顔の外側を包む皮膚やじん帯が徐々に緩んで垂れていくのに加え、内側を充てんする骨格や脂肪は減少。この2つの要素がダブルでたるみを進行させるからです。
たるみを改善させたいのであれば、肌を引き締めること。これはシワ対策としても有効です。では、どうやって引き締めるのか。まずは紫外線、喫煙、摩擦など皮膚の弾力を低下させる因子を普段から排除しましょう。そしてレチノールやナイアシナミドなどシワ改善にアプローチする成分が入ったコスメを毎日のスキンケアに取り入れましょう。
またピーリング、ハイフ、IPL(フォトフェイシャル)などの皮膚の引き締めを目的とした美容医療を定期的に活用するのも有効です。それでも不十分と感じる人は、糸リフトやフェイスリフト手術に進む場合もあります。
ただ、冒頭で言った通り、たるみは皮膚の内側のボリュームロスも大きく影響します。5年10年と年月をかけて失われたボリュームを、ヒアルロン酸や脂肪注入などで補うことで、リフトアップが可能です。
☆お悩み2
若い頃に比べて皮膚がゴワゴワしてきた気がします。くすみも気になるし、こういう場合はピーリングがオススメですか? その他、クリニックで受けられる施術にどんなものがあるのかについても知りたいです。
★Answer
紫外線などのダメージによって肌のバリア機能が壊されると、肌は全般に乾燥しやすくなります。するとなるべく水分を肌表面に留めようとして、むしろ皮脂が多く分泌されるようになります。その結果、肌表面はべたついているのにじつは内側がカピカピという、いわゆるインナードライ状態になり、なんとなく肌ざわりが変わったように感じられることがあるのです。
若い頃の肌を目標に皮膚深層の状態をダイレクトに改善したい場合は、スキンブースターと呼ばれる美容医療を活用するのもよいでしょう。ダウンタイムをおさえたければエレクトロポーション、数日程度のダウンタイムが許容できるのならポリヌクレオチドやヒアルロン酸などの注入治療に取り組むのがオススメです。
また、くすみは全般的にメラニンが散在している状態、角質が厚くなり透明感が低下している状態、血行不良で肌のトーンが下がっている状態など、さまざまな要素が隠れています。ハイドロキノンやビタミンCなどの外用薬、IPLやスキンブースター治療などを組み合わせて肌のトーンとキメを向上させるのがおすすめです。僕もIPL治療を定期的に受けていますが、肌の調子が整うと思います。もちろん、ピーリングにより肌のハリを改善することも有効です。肌育はピーリングからスタートしてもいいですね。
そもそもピーリングとは専用の薬剤を用いて皮膚表面を溶かし、本来の正常なターンオーバーに引き戻すための治療。どの程度の深さまで薬剤を到達させるかによって大きく4つのレベルに分かれています。ご自宅用に購入できるホームピーリングは角質層のみに浸透するレベル1のみに限られます。クリニックでは基底膜を含む深層まで到達し、ターンオーバー促進やトーンアップ効果が強まるレベル2以上のピーリングを行います。効果が強い分、刺激により逆に色素沈着につながるリスクもあるので、医師とよく相談することを忘れずに。
日本形成外科学会専門医
日本美容外科学会(JSAPS) 正会員
日本乳癌学会 正会員
JSKINクリニック代表 形成外科専門医
慶應義塾大学医学部 形成外科 助教
牧野 潤 / Jun Makino, MD.
2015年3月 慶應義塾大学医学部卒業
(在学中にシンガポール国立大学医学部留学)
2015年-2017年 株式会社ボストンコンサルティンググループ勤務
2017年-2019年 都内総合病院にて初期臨床研修修了
2019年4月 慶應義塾大学医学部 形成外科教室入局
慶應義塾大学病院形成外科及び医局関連病院(埼玉医科大学総合医療センター形成外科・美容外科、太田記念病院形成外科など)にて勤務
2023年4月より 慶應義塾大学医学部 形成外科 助教(日本形成外科学会専門医)
2024年6月 慶應義塾大学病院美容医療外来 立ち上げ
現在に至る
JSKINクリニック
03-6820-0627
東京都中央区新富1-15-3 新富・ミハマビル5F
https://jskinclinic.com/
text:AYAKO TAKAHASHI