伊藤若冲 鶏図押絵貼屏風 左隻 部分(1797年) 後期 福田美術館蔵
京都・嵐山にある福田美術館では、開館5周年記念の企画展「京都の嵐山に舞い降りた奇跡!! 伊藤若冲の激レアな巻物が世界初公開されるってマジ?!」を、2025年1月19日(日)まで開催中。
展覧会が開催されるたびに、大人気を博す伊藤若冲。2016年春の東京都美術館「生誕300年記念 若冲展」では、入館まで最長5時間20分待ちになるなど、その超絶した人気が話題になりました。
今回の企画展では、福田美術館が所蔵する若冲の作品約30点と共に、世界初公開となる伊藤若冲「果蔬図巻(かそずかん)」が初お披露目されます。
伊藤若冲 果蔬図巻 部分(1790年以前)通期 福田美術館蔵
「果蔬図巻」は、寛政2年(1790)以前、若冲が70代の時に描かれた全長3メートル余りの大作で、若冲ならではの美しい色彩を用いてさまざまな野菜や果物が描かれた巻物。70代で色絵を描いた例は少なく、重要文化財に指定されている「菜蟲譜(さいちゅうふ)」(佐野市立吉澤記念美術館所蔵・重要文化財)の前年に描かれていることから、今後若冲に関する研究を進める上で大きな意味を持っていると言われている貴重な作品です。
伊藤若冲 蕪に双鶏図 部分(18世紀) 福田美術館蔵
また、現存する若冲の作品の中で最も若い時期に描かれたとされる「蕪に双鶏図」や、2024年5月に福田コレクションに加わった、若冲の「乗興舟」も公開されています。長さ9m超の絵巻で、若冲が大典とともに、京都から大阪まで舟で移動した時の風景を元に制作された版画です。
伊藤若冲 下絵・梅荘顕常 賛_乗興舟 部分(1767年) 福田美術館蔵
円山応挙 虎図 部分 通期
さらに、若冲とほぼ同時期に京都で活躍した曽我蕭白や円山応挙の作品や、若冲が影響を受けた白隠禅師や中国清の画家、沈南蘋やその弟子たちの作品も併せて展示されています。未だ謎が多い若冲の人生を垣間見るような構成となっている展覧会。この秋は、紅葉の嵐山を愛でつつ、若冲にどっぷり浸る芸術の秋を満喫してみませんか。
「開館5周年記念 京都の嵐山に舞い降りた奇跡!! 伊藤若冲の激レアな巻物が世界初公開されるってマジ?!」
福田美術館
京都府京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町3-16
075-863-0606
2025年 1月19日(日)まで
※大幅な展示替えはないが、12月3日(火)に一部の屏風において、右隻・左隻の入れ替えを実施。
10:00〜17:00(最終入館 16:30)
休館日:12月3日(火)屏風の入れ替え、12月30日(月)~1月1日(水)
一般・大学生 ¥1,500
text:KAZUMI KAWAKAMI