圧倒的な非日常を体験できる宿として人気の「星のや」。なかでも豊かな自然や文化に包まれる「星のや竹富島」は、約2万坪の広大な敷地に、琉球赤瓦の伝統を尊重した戸建て客室が点在しています。白砂の路地やプール、見晴台などが島の原風景と調和し、まるで“暮らすように滞在する”心地よさを感じられる場所です。そんな「星のや竹富島」で、この夏メニューを一新したのが、「島テロワール」をテーマにしたフレンチのディナーコース。
竹富島を含む八重山の島々には、一般的に知られる南国の食材だけでなく、自然環境や歴史が育んだ特有の食文化が息づいています。祝い料理に多く使われるヤギ、島ならではの製法で作られた醤油や八重山の綺麗な海でストレスなく育ったエビなど、まだ知られていない食材が豊富です。そんな”島の恵み”を、フランス料理の技法と新たな発想を用いて、驚きの味わいに仕上げたのが、星のや流の「島テロワール」。前菜、魚料理、肉料理、デザートの4品で構成されるコースでは、食材のもつ滋味を最大限に引き出しながら、意外性と美しさを兼ね備えた一皿一皿が楽しめます。

コースの一例としては、前菜としてやわらかく仕上げた仔ヤギのタルタルに、茄子のムースとコンソメのジュレ、塩味の効いたキャビアを重ねた「ヤギとキャビアのタルタル フーチバの香り」。島の祝い料理に欠かせないフーチバ(ヨモギ)のチュイルが、島の食文化を表します。そして魚料理として「イセエビのパイ包み焼き 二色のソース」、肉料理には、「熟成牛サーロインとマグロの炭火焼き 島醤油と黒糖のアクセント」。竹富島の伝統調味料・島醤油(泡盛と鰹節を使った“シマヒタティ)と、パイナップルで仕立てた甘辛いソースが、素材の魅力を引き出します。最後にデザート「ジーマミのマルジョレーヌ パイナップルのコンフィチュールを添えて」は、フランスの伝統菓子マルジョレーヌに、沖縄で親しまれるジーマミ(落花生)をアレンジ。ナッティで優しい甘さと、パイナップルの爽やかな酸味が絶妙に調和します。

沖縄に根差した食材と食文化をフレンチの技法で丁寧に仕上げた「島テロワール」ディナー。今年のバカンス、まだ行き先を決めていない方は、竹富島の静けさと豊かな自然に抱かれながら、心ほどける美食体験をしてみませんか?
「島テロワール」ディナーコース
場所:星のや竹富島(沖縄県八重山郡竹富町竹富1955)
料金:1名 ¥18,150(税・サービス料込、宿泊料別)
対象:宿泊者限定
https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/hoshinoyataketomijima/
text:YOSHIMI HASHIMOTO
2025.08.23