SENLYマネー塾
SENLYマネー塾#2 「NISA」は使わにゃ 損・損!
いろいろな場面で耳にする「NISA」。「この制度を使わないのはもったいない!」という為替をはじめ財テクに詳しい今泉先生に、その仕組みや活用方法について、私たちが「お得感」を感じられる情報について寄稿していただきました。
こんにちは。今泉です。ここ数年、職場の隣の席で真剣にパソコンをたたいて仕事をしている風の同僚をフッと見ると、目の色変えて、ふるさと納税のサイトを凝視している……。街中でおしゃべりに夢中になっている女性の井戸端会議に(失礼を承知で)聞き耳を立てると、ふるさと納税の返礼品自慢をしている……。
ところで多くの人たちが楽しんでいる「ふるさと納税」って???
それは、寄付額の30%以内の金額相当の返礼品が届く上に、寄付した金額の内の2,000円を超える金額について、住民税の控除や所得税の控除(または還付)が受けられる。お得感満載ですよね。寄付額分の税控除と物がもらえることの組み合わせが人気なのでしょうか。

非課税、つまり税金が取られない制度を活用しないテはない!
一方で、「税金が取られない」(非課税)が売り物のNISAについて熱く語る人はあまりいないような気がします。NISAの正式名称は「小額投資非課税制度(Nippon Individual Saving Account)」で、「税金が取られない」貯蓄です。
読者の皆さんのほとんどは、銀行などに預金口座をお持ちだと思います。預金金利が低過ぎるので、利息から取られている税金の金額は全く気にならないのかもしれませんが、利子からは一律20.315%(所得税・復興特別所得税15.315%、住民税5%)が徴取されているのです。
みなさんの普通預金口座に「リソク100円」という入金があったとすると、それは25円(125円ⅹ20.315%=25円)の税金が引かれた後の「税引き後利息」ということです。なーんだ、たった25円だけかぁ」と思った方もいるでしょう。「リソク1000円」の入金があったとすると、引かれた税金は254円。「なーんだ、たった254円だけかぁぁぁ。べつにぃぃぃ」かもしれません。
では「リソク10,000円」の入金があったとすると、引かれた税金は2548円。そろそろ「なーんだ。たった???」とは言っておられず、「えっ、マジ? 税金、ぼったくりじゃない!」と思い始める方もいるでしょう。
ということは、せっかく税金が取られない制度があるのだから、「使わにゃ 損・損!」です。もっともっと、NISAについて井戸端会議してもいいんじゃないかなぁ。まあ、他人に自分の貯蓄のこと話したくはないかぁ。ということで、8%の消費税に目くじらを立てているそこのあなた、20.315%の税金が取られないNISAにもっともっと夢中になってください。

2024年1月から始まった「新NISA」とは?
まず「新NISA」の話をする前に、従来のNISA(旧NISA)について軽く触れておきますね。
1 一般NISAは非課税期間が最長5年でしたが、今後非課税期間が終了した一般NISAは、課税対象になりますので、課税口座で運用を継続するか、非課税期間の内に売却するか、いずれかになります。
2 「新NISA」は従来のNISA(旧NISA)とは別枠ですので、旧NISAでの非課税枠内での運用はそのまま続けてください。旧NISAを新NISAの非課税枠にそのまま引き継ぐことはできません。
3 旧つみたてNISA(2018年1月開始)は非課税期間が最長20年ですので、引き続き積み立てを継続して、非課税の恩恵を受け続けるのもよし。2026年1月23日(原稿執筆時)現在、日経平均は54,000円水準にありますが、読者の皆様が投資してきたものが爆騰しているなら、爆騰分(キャピタルゲイン)を非課税で売却するのもよし。(旧ジュニアNISAについては省略しますね)
もっと詳細な部分を知りたい方は、日本の証券会社・銀行各社がNISAについてのサイトをご覧ください。おかかえの証券マン・証券レディーがいる方は、直接聞いてください。えこひいきにならないように、ここでは金融庁の「NISA特設サイト」を紹介しておきます。
【NISA特設ウェブサイト:金融庁】
上記金融庁サイトや証券会社のサイトを見ると、ほぼ同じ図表が載っています。

(出所)金融庁サイトよりDave Imaizumi作成
目玉は、
1 非課税保有限度額が1,800万円まで拡大。(旧一般NISAは600万円、旧つみたてNISAは800万円でした)
2 非課税保有期間が無制限になった。(旧一般NISAは5年間、旧つみたてNISAは20年間でした)
3 口座開設期間が恒久化。(旧NISAは2023年末まででした)
4 新NISAと旧NISAは、上述したように別の制度として扱われるので、旧NISAの口座を開設した金融機関とは異なる金融機関で新NISA口座開設が可能です。
5 売却後の非課税枠再投資可能。新NISA口座で購入したものを売却して現金化した後、空いた分の非課税枠は翌年以降に再び利用できるようになります。
どうですか? 新NISAやりたくなりましたか? だめですかぁぁぁ _| ̄|○ガックシ
なんで? えっ?損するから?
そうなんです。上記図表からも分かる通り、投資対象には元本保証の預金(貯金)は含まれていません。つまり、投資した金額分が返ってこない可能性のある「価格変動商品」が投資対象なんですよね。そこで大事なのが、1月にお話しさせていただいた「無理のない金額での投資。いつの間にか貯まっていた、いつの間にか増えていたのスタンス」なんです。
賢者は「上がっているときも買って、下がっているときも買う」
この1年、日本の株式指数(日経平均やTOPIX等)は破竹の勢いで上昇し、TVに出演しているコメンテータは鼻息を荒くして「日経平均は年内60,000円台だ」「1〇年後には10万円だ」「〇年後には日経平均20万円だ」と解説しています。その〇年後までの間には、上がったり下がったりといった紆余曲折もあるでしょう。年間非課税投資可能額240万円が全く気にならない「はした金」である方は、ドーーーーンと一発投資するのもいいと思います(成長投資枠)。ただ、私にとって240万円は大金なので、TVコメンテーターたちを信じて一発勝負はできません。ということで、「つみたて投資枠」で上がっているときも買って、下がっているときも買うスタンスで臨むのが賢明ではないかと思います。毎月1万円を「つみたて投資枠」で20年間積み立てて、日経平均が本当に10万円、20万円になっていたら、投資額元本合計240万円は、400万? 500万? 600 万??????
読者の皆さんが引き落としになっていても気にならない金額で毎月積み立てて、20年のあいだに、高値も買って、安値も買って、気が付いたら上がってて、20年後に目をまん丸くして飛び跳ねて逆立ちして懸垂して大喜びするのが理想ですね。
成長投資枠に、例えばいっぺんに240万円投資して、翌年300万、2年後150万、3年後180万、4年後200万・・・10年後250万・・・・20年後???万。毎年の変動を見続ける、これはかなり疲れます。やるなら成長投資枠の年間投資限度額240万円も分割して投資するのがいいかもしれません。

絶対あてにしてはいけない「当たるも八卦 当たらぬも八卦」今泉のつぶやき
私は1992年10月から外国為替業務に携わってきました。証券会社にも所属していたことはありますが、株式は全くのド素人と見てください。そんな私が、ちょっとだけつぶやきますので、忘れてください。信じないでください。水晶に聞いた方がまだましかしら?
1 毎年毎年、日本中のお客様を訪問したり、講演会をやったり、TVコメンテーターやったり。円高予想したり円安予想したり、その時々でいろいろな予想をしてきましたが、私は根っからの円安論者で、私が他界した後(20年後? 30年後? 40年後?・・・)、1ドル200円まで円安が進んでいくと思っています。
2 イノベーションが起きている時って株価は上昇します。今のイノベーションは「A.I.」ですよね。私がいつも講演会でお客様に言ってきたのは、「A.I.の最終系って何ですか? それは、A.I.が自我に目覚め、人類を危険視し、自己存続のために人類を滅ぼそうとする時かなあと思うんですよ(「ターミネーター」という映画を覚えている読者の方もいるでしょう)。そんな時代が来るまでは、今のイノベーションがまだまだ続いていく、まだ始まったばかりと私は思っています。
3 私が毎年語る季節的要因として、「買うのは2月かしら?」というのがあります。というのも、日本のほとんどの大企業の決算って3月末ですよね。年が明けると、会社はどこも3月末に向けて、決算数字作りで忙しくなります。Window Dressingっちゅうやつですか? オペレーション的には、「益出し・損切り・合わせ切り(損を益で穴埋めしてチャラにする)」が主体になると思います。つまり、2月は「売り」のオペレーションが強まる季節だと思っています。
とにもかくにも、食料品への8%の消費税廃止が気になるあなた、20.315%の税金取られなくて済む「新NISA」考えてみてください。「隣町のスーパー、消費税0%ですって」なんて聞いたら、一目散に隣町のスーパーに駆け込むでしょ? 2時間待ち、3時間待ちも平気で開店前から並ぶでしょ? 「新NISA」の手続きにはそんなに時間はかかりませんよ。
(2月8日、衆議院議員選挙後に追記)
既に読者の皆様もご存じのように、今回の衆院選挙では自由民主党が圧勝となりました。個人的には、「自民党勝利」ではなく「高市早苗の勝利」に見えます。
選挙直前の2月6日(金)から、「高市早苗の大勝利」を見込んで、日経平均は東京時間帯から上昇し、日経平均先物も欧州時間・米国時間帯にさらに上昇。すでに円安が進んでいた為替市場では、157円台後半までドル高円安が進みました。
「高市早苗の大勝利」のあとに期待されていたものは、「高市トレード」=株高・ドル高円安・日本国債下落(日本国債利回り上昇)です。
高市総理の掲げる「責任ある積極財政」、すなわち、財政出動による日本景気のさらなる拡大。結果として、日本の株価がさらに上昇するとの見方がデマゴーグ的なTV解説で拡散され、「日経平均があっという間に100,000円になってしまうのではないか」という雰囲気が強まってしまっています。
ご安心ください。何も実現していない公約ベースに踊らされた泡相場は続かないと私は思っていますので、慌ててすっ高値飛びつき買いする必要はありません。また、「つみたてNISA」であれば、この2月の相場がどうであろうと関係ありません。20年間毎日積み立てていくことを考えれば、この2月は、12か月×20年=240回の積み立ての内の、たった1回です。日々の動きに一喜一憂しなくていいのが「つみたてNISA」のいいところです。
(今回、編集委員のご厚意により、選挙後の追記をご了承いただきました。ありがとうございました)
【PROFILE】
今泉光雄
Mitsuo “Dave” Imaizumi
北海道苫小牧市生まれ。1987年一橋大学法学部卒業後、三井銀行入行(後に、太陽神戸三井銀行、さくら銀行、三井住友銀行)。1992年から外国為替マーケット業務に従事。1997年~2001年にニューヨーク勤務。大和証券SMBC、メリルリンチ日本証券、大和証券チーフ為替ストラテジストを経て、定年退職後の現在は、長野県信用組合資金証券部(預金量1兆円規模)で、為替・外国債券で数百億円の運用を担当。
・座右の銘:驕る平家は久しからず
・モットー:客に買わせる相場観ではなく、お客様に勝って頂く相場観を目指したい
2026.02.26
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