LIFESTYLE

LADY SENLYの手習い vol.1

LADY SENLYの手習い vol.1

vol.1ワイン

SENLY世代がなんとなく知っているようで、実は詳しくは知らない、今さら聞けないマナーや豆知識を専門家に詳しく聞くシリーズがスタート。今回はワインの基本的な知識について、都内でレストランやバーなどを経営し、ご自身もソムリエである杉浦康祐さんにお話を伺いました。



ワインに詳しくない場合はソムリエに相談する

「どの料理に何を合わせたら良いですか?」とシンプルに聞いていただきたいですね。それぞれのお店の料理に沿ったコンセプトのワインをご用意しております。またそれと同じくらい大切なのは、その人の好みだと思っています。凝り固まった考えを押し付けるのはよくないと言いながらも、やはり人には好き嫌いがありますので。普段、どういうものがお好きですか? とこちらから聞かせていただいたときに、「白は甘口が好き」「赤はしっかりめが好きよ」と教えてくださったら、そのテイストのニュアンスを含めながら、ご提案ができると思います。レストランに行った際には、まずソムリエに相談するのが一番ですね。



──お皿によってお酒を変えていくペアリングやマリアージュ、もしくはボトルにしたほうがいいかの目安はありますか。

どちらのお店もそうなのですが、大人数で今日はワインをたくさん飲めるかなというときには、グラスよりボトルで頼むほうがお得です。バイザグラスは、ボトルよりもどうしても少し高めに設定するためです。

コース料理など、決まったお料理に対してはペアリングでオーダーいただくのがおすすめです。その時期のコースに合わせて、ベストなワインや日本酒をプレゼンさせていただきます。


ワインの品種

レストランに行くときに最低限知っておくと便利なワインの品種を伺いました。

白ワイン


「迷ったらシャルドネ」が合言葉

シャルドネ


ソムリエ業界では、“特長がないのが特長”と言われているくらい、その国の気候や土壌の性質を一番表してくれるワイン。シャルドネは基本的に、シャルドネ単体でしかワインを作らないので、シャルドネ100%。その最たる例がフランスのブルゴーニュ地方のワインになります。全体的にお料理に合わせることもできますし、最初はしっかり冷やしておいて、後半はクーラーから外し逆に温度を上げていくと、後半の味のしっかりとしたお料理にも合わせやすい特徴から「迷ったらシャルドネ」と合言葉的に覚えていただくとよいと思います。


お食事の前半に合わせるワインとして最適

ソーヴィニヨン・ブラン


アメリカでは、樽熟成したソーヴィニヨン・ブランを「ヒュメ(煙)ブラン」とも呼んでいます。レモングラスなどのミントやハーブの香り、レモンやライムのようなさっぱりした柑橘系の香りが特長です。お食事の前半に合わせるワインとしておすすめです。

赤ワイン

最後に辿り着く、王道の赤

ピノ・ノワール


シャルドネと同じく、フランスのブルゴーニュ地方が非常に代表的な地域。こちらも基本的に単一品種100%で作ります。ボディとしては軽やかで、果実味もあるのが特長。皆さん、20代、30代の若いときにはカベルネ・ソーヴィニヨンのようにタンニンのしっかりとしたものを求める方が多いのですが、40代、50代になり、まさにSENLY世代の方が年を経て行きつくのがピノ・ノワールと言われています。お食事に合わせるのはもちろん、食後の一杯にワインをじっくり楽しみたいときにも飽きない落ち着いた味わいが魅力ですね。特にフランス・ブルゴーニュのピノ・ノワールは世界的にもトップレベルのクオリティがあります。

濃厚でしっかりとした赤ワイン

カベルネ・ソーヴィニヨン


単一品種で作るブルゴーニュ地方とは対照的に、ボルドー地方は2種類以上のブドウ品種をブレンドしているのが特長。カベルネ・ソーヴィニヨン、メルローなどをベースに、カベルネ・フラン、プティ・ヴェルド、マルベックなどをブレンドしています。いろいろな品種の個性、香りの複雑さが出ると言われています。ピノ・ノワールよりも、タンニンと呼ばれる舌に程よい渋みと奥行きを感じるしっかりとしたワインが生まれやすいのがカベルネ・ソーヴィビニヨン。アメリカの有名なステーキハウスなどでは、そのようなカベルネ・ソーヴィニヨンが多くセレクトされています。




食べているお料理の味わいや塩分濃度、旨味成分、温度などをワインと寄り添わせることが実はペアリングの第一歩。例えば、フランスのカマンベールチーズの本場、ノルマンディー地方は海沿いなので、海風を浴びて育つ牧草を食べる牛のミルクで作るので、チーズの塩分が高いんですよ。やはり、その地方のワインと地のものは自ずと合います。塩味×塩味、旨味×旨味などお食事に合わせるポイントでもあります。
            

【PROFILE】
杉浦康祐さん
株式会社Dreamtime Partners代表取締役社長/J.S.A.認定ソムリエ
広尾にある大人の隠れ家的存在の蕎麦割烹「こうもと」、恵比寿のジャパニーズイタリアン「ai’s(アイズ)」を経営。あらゆるジャンルの食を知り尽くしたスペシャリスト。
こうもと https://koumoto.dreamtimepartners.com/
ai’s https://ais.dreamtimepartners.com/

次回はスパークリングワインについて詳しく伺います。

text:Miyuki Nezasa

戻る