『軍検事ドーベルマン』© STUDIO DRAGON CORPORATION U-NEXTにて配信中
アジアのみならず、世界でも話題となっている韓流ドラマ。その主役を演じる俳優たちはファンミーティングを開催すれば1万人規模のファンが詰めかけるなど、まるでアイドル歌手さながらの人気となっています。そんな俳優たちが出演するドラマや映画。いろいろありすぎて何から観ていいの? と迷ってしまう方も多いはず。そこでSENLY★韓流サランヘヨでは、旬の俳優とともに、今観るべきおすすめ作品とその見どころについてもご紹介していきます。第9回目にご紹介するのは、アン・ボヒョンです。
アン・ボヒョンという名前がすぐにピンとこないという方も、『梨泰院クラス』で主人公パク・セロイ(パク・ソジュン)の宿敵であり、チャンガグループの跡取り息子として強烈なまでの悪役を演じた俳優と言えば、「あの彼ね~」とわかる方も多いのでは? このドラマで世界中から注目を浴びたアン・ボヒョンは、悪役から一転、ラブコメや軍検事ものなどで次から次へと主演を務める人気俳優へと駆け上っているのです。そんな彼の経歴を簡単にご紹介しましょう。
1988年生まれのアン・ボヒョンは中学時代にボクシングを始め、釜山体育高校に進学した後は釜山代表選手として全国大会で優勝するなど、ボクシング界でも有望な注目選手でした。しかし、怪我などもありプロになることは断念。187cmの長身と抜群のスタイルから、大学時代にモデルデビューを果たします。モデル出身の俳優たちに刺激を受け、演劇学院で演技を学びながら数々のエキストラ出演を経たアン・ボヒョンは、2016年に本格的に俳優の道へ。『彼女の私生活』や『カイロス』など、恋の2番手役としても人気となっていた彼は、『梨泰院クラス』で俳優人生が一変。韓国では、ドラマや映画でヒール役を演じた俳優は大ブレイクすると言われますが、アン・ボヒョンもそのひとりなのです。

『ユミの細胞たち』© STUDIO DRAGON CORPORATION U-NEXTにて配信中
彼の魅力が詰まった作品はいろいろありますが、外せないのがラブコメ初主演となった2021年放送の『ユミの細胞たち』。“実写と3Dアニメーションの組み合わせ”という斬新さが話題を呼んだこのドラマで主演を務めたのが演技派女優キム・ゴウンとその彼氏役のアン・ビョホンです。失恋したばかりの30代女性が、新たな恋をスタートさせていくなかで、揺れ動く心のありようを、3Dアニメーションの細胞たちがユーモラスに代弁していくのですが、キム・ゴウンとのカップリングとともに、アン・ボヒョンの彼氏感たっぷりの演技にドハマりする人が続出した癒し系ドラマです。

『軍検事ドーベルマン』© STUDIO DRAGON CORPORATION U-NEXTにて配信中
そして、ボクシングで鍛え上げた筋肉とモデル出身の肉体美でかっこいい軍服姿を披露しているのが2022年に放送された法廷・アクションドラマ『軍検事ドーベルマン』。これまで韓国ではタブー視されていた軍法廷を題材にしていて、アン・ボヒョンは、陸軍の大尉で軍検事のド・ベマン役を演じます。幼い頃に軍人だった両親を亡くし、叔母に育てられますが、司法試験に合格するも高校を退学させられるような問題児で、悪徳弁護士に誘われてお金のために軍検事に。一方、親の復讐のために軍検事になった女性検事チャ・ウィンを演じるのがチョ・ボア。目的の異なる2人でしたが、腐敗した軍の悪事を裁いていく過程やスカッとするようなアクションシーンもあって、アン・ボヒョンの魅力が炸裂しています。

Netflixシリーズ『生まれ変わってもよろしく』独占配信中
最後にもうひとつ。アン・ボヒョンの繊細な演技で、ふり幅の広さを見せているのが、2023年に放送された『生まれ変わってもよろしく』です。ウェブ漫画が原作のファンタジー転生ドラマとなるこの作品で、一途に一人の人を思い続ける女性を演技派女優シン・ヘソンが、幼い頃の事故で心に傷を持ち続けているムン・ソハ役をアン・ボヒョンが演じます。1000年の間に18回もの転生を繰り返していたパン・ジウム(シン・ヘソン)は、19回目の転生で、思い続けていたムン・ソハ(アン・ボヒョン)に巡り合うのですが、前世で両思いだった2人が、どのように歩み寄っていくかが描かれたこの作品。せつなさやはかなさをまとった繊細な演技で新たな魅力を見せているアン・ボヒョン。今年は時代劇「神の玉」も放送を控えているので、今後のさらなる活躍にも要注目です。
【PROFILE】
韓流ライター 橋本嘉美
「冬ソナ」時代から韓国ドラマを見始め、「私の名前はキムサムスン」でヒョンビンにドはまり。以来、イケメン俳優たちの成長を見続けて早20年ですが、これまでに見たドラマや映画、バラエティは数百本以上。韓国俳優たちのファンミフリークでもあるので、彼らの素顔などもご紹介していきます。
text:YOSHIMI HASHIMOTO