大胆な色遣いと力強い筆致で独自の画風を確立した画家、フィンセント・ファン・ゴッホ。その作品の大部分は生前より画業を支えてきた弟・テオによって大切に保管され、テオの死後は義妹・ヨー、そしてテオとヨーの子フィンセント・ウィレムへと受け継がれ、財団の設立や美術館の開館などの尽力により作品が散逸することなく守られてきました。そんなファン・ゴッホ家のコレクションに焦点を当てた展覧会「大阪・関西万博開催記念 大阪市立美術館リニューアル記念特別展 ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」が大阪市立美術館で開催されます。

フィンセント・ファン・ゴッホ 《画家としての自画像》 1887年12月-1888年2月 油彩、カンヴァス
65.1×50cm ファン・ゴッホ美術館、アムステルダム(フィンセント・ファン・ゴッホ財団)
Van Gogh Museum, Amsterdam (Vincent van Gogh Foundation)

フィンセント・ファン・ゴッホ 《種まく人》 1888年11月 油彩、カンヴァス 32.5×40.3cm
ファン・ゴッホ美術館、アムステルダム(フィンセント・ファン・ゴッホ財団)
Van Gogh Museum, Amsterdam (Vincent van Gogh Foundation)
今回の展示では代表的な自画像作品《画家としての自画像》をはじめ、敬愛するミレーの代表作に挑戦した《種まく人》、さらにはゴッホの画風に影響を与えた浮世絵作品など、ゴッホの画業の初期から晩年までを辿る30点以上の作品を展示。
さらに、ゴッホの集めた作品や日本初公開となるゴッホ直筆の手紙4通も展示されます。

「傘を持つ老人の後ろ姿が描かれたアントン・ファン・ラッパルト宛ての手紙」
1882年9月23日頃 ファン・ゴッホ美術館、アムステルダム(フィンセント・ファン・ゴッホ財団)
Van Gogh Museum, Amsterdam (Vincent van Gogh Foundation) (purchased with support from the Mondriaan Fund, the Ministry of Education,Culture and Science, the VSBfonds and the Cultuurfonds)
激動の人生を歩んだ画家と、彼を陰から支えて託された夢を守り続けてきた家族たち。受け継がれた家族の物語を知ることで、あなたの中のゴッホ像もきっと変わるはずです。
大阪・関西万博開催記念 大阪市立美術館リニューアル記念特別展
ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢
会期:2025年7月5日~8月31日
会場:大阪市立美術館(天王寺公園内)
大阪府大阪市天王寺区茶臼山町1-82
観覧料:¥2,200(一般・税込)ほか
※土日祝は日時指定予約優先制。平日は日時指定予約不要。
text:YUTA OTAKE
2025.07.16