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SENLY★韓流サランヘヨ #.11 ~最新作『恋するムービー』で魅せる、自然体な演技は唯一無二 チェ・ウシク~
Netflixシリーズ『恋するムービー』独占配信中
アジアのみならず、世界でも話題となっている韓流ドラマ。その主役を演じる俳優たちはファンミーティングを開催すれば1万人規模のファンが詰めかけるなど、まるでアイドル歌手さながらの人気となっています。そんな俳優たちが出演するドラマや映画。いろいろありすぎて何から観ていいの? と迷ってしまう方も多いはず。そこでSENLY★韓流サランヘヨでは、旬の俳優とともに、今観るべきおすすめ作品とその見どころについてもご紹介していきます。第11回目にご紹介するのは、チェ・ウシクです。
Netflixシリーズ『その年、私たちは』独占配信中
チェ・ウシクの名を一躍有名にしたのは、アカデミー賞で作品賞、監督賞、脚本賞を含む4部門を制覇した映画『パラサイト 半地下の家族』でした。彼は、この作品で裕福な家族に寄生する半地下住宅に暮らす一家の長男ギウを演じ、その卓越した演技力で観客を魅了。特に、物語が進むにつれて変化していくギウの心情を繊細に表現し、作品に深みを与えました。肩の力が抜けた自然体な演技で、ポン・ジュノ監督からも“若手俳優の代表格”と絶賛されるチェ・ウシクは、1990年生まれの35歳。韓国・ソウルで生まれ、11歳の時に家族でカナダに移住し、サイモンフレイザー大学へ進学後、2010年に俳優になるため韓国に帰国。翌年、ドラマ『チャクペ~相棒~』で俳優デビューを果たします。
飄々としながら、平凡な役からダークな役までを繊細に演じ分け、映画『新感線ファイナル』『The Witch 魔女』やドラマやバラエティなどで存在感を高めてきたチェ・ウシク。そんな彼が、おちゃめさと柔和さを併せ持った演技でその魅力を存分に発揮したのが、2021年末から2022年にかけて放送された『その年、私たちは』です。
Netflixシリーズ『その年、私たちは』独占配信中
このドラマは、高校3年生の時に撮影したドキュメンタリー番組が10年後に突然バズったことを機に、かつての恋人同士が再会。それぞれが抱える複雑な思いが揺れ動くノスタルジックなラブストーリーです。勉強にまったく興味のないおおらかな性格のウン役をチェ・ウシクが、学年トップで優等生のしっかり者のヨンス役を『梨泰院クラス』で注目を集めたキム・ダミが演じています。正反対な性格の2人がドキュメンタリー撮影をきっかけに付き合い始めるのですが、キラキラした青春時代を呼び覚ます美しい映像やBTSのVが歌う印象的なOST(ドラマ挿入歌)も、ドラマを盛り上げます。ヨンス(キム・ダミ)が別れを告げた本当の理由がわからず苦悩し続けたウン(チェ・ウシク)。大人になって再会した2人の心情がエピローグやプロローグで丁寧に語られていくので没入感たっぷりにドラマの世界に浸れます。ちなみに、チェ・ウシクとキム・ダミは、冒頭に挙げた、映画『The Witch 魔女』で敵対する役柄で共演しています。この映画ではバイオレンスアクションの悪役を演じたチェ・ウシクが、ほのぼのとしたイメージとは真逆の冷徹な怖さで新たな魅力を披露しているのも要注目です。
Netflixシリーズ『恋するムービー』独占配信中
そして、Netflixオリジナルドラマとして2月から配信されたのが、『恋するムービー』です。『その年、私たちは』と同じイ·ナウンが脚本を手掛けたことでも話題を呼んだこのドラマは、映画がきっかけで恋に落ちた2人が、同じ映画業界で再会し、過去のトラウマを乗り越えていくエモーショナルな青春ドラマ。映画を愛してやまない映画オタクのコ・ギョム役を演じるのがチェ・ウシク。エキストラとして参加したある作品で、映画助監督であるキム・ムビ(パク・ボヨン)に一目ぼれします。一方、鬱屈した日々を過ごしながら映画に携わっていた彼女にとって、人懐っこく映画の現場に溶け込むコ・ギョム(チェ・ウシク)の存在は、目障りに感じるほど。しかし、彼の一途な思いや温かさ、不思議な魅力にだんだん気持ちが傾き始めた途端、突如、彼がその姿を消してしまうのです。「何故、彼はいなくなってしまったのか?」の自問を繰り返しながら数年が経った頃、彼女の前にコ・ギョム(チェ・ウシク)が現れ、再び2人の人生の歯車が回り始めます。2人の恋の行方だけでなく、コ・ギョム(チェ・ウシク)の兄の存在、友人カップルが長すぎた春にどうピリオドを打つかなど、余韻が残る映画のような仕上がりのドラマは見どころがいっぱいです。少年のように無邪気な笑顔と予測不能な危うさが同居する不思議な魅力のあるチェ・ウシクにハマってみませんか?
【PROFILE】
韓流ライター 橋本嘉美
「冬ソナ」時代から韓国ドラマを見始め、「私の名前はキムサムスン」でヒョンビンにドはまり。以来、イケメン俳優たちの成長を見続けて早20年ですが、これまでに見たドラマや映画、バラエティは数百本以上。韓国俳優たちのファンミフリークでもあるので、彼らの素顔などもご紹介していきます。
text:YOSHIMI HASHIMOTO
2025.05.10