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SENLYマネー塾#3 老後資産の形成と所得控除のメリットと運用益が非課税になる「iDeCo」
今回のテーマは「iDeCo」。初心者でもわかりやすいよう、私たちが「お得感」を感じられる「iDeCo」の内容について、為替をはじめ財テクに詳しい今泉先生に寄稿していただきました。
こんにちは。今泉です。前回の「新NISA」に続き、今回は「iDeCo」についてお話したいと思います。ただその前に…
3/23の某テレビ番組で「NISA貧乏」という特集が組まれていました。購入した資産が上昇している時は、ただニヤニヤしていればよかったのでしょうが、2/28に始まった中東紛争をきっかけに世界中の株価が乱高下となり、気が気じゃなくなっている人たちが増加しているとのことでした。しかも、「積立NISA」ではなく、「成長投資枠」でドカンと投資した方は、仕事も手につかず、夜も眠れないそうです。
読者の皆さんにもう一度思い出してもらいたいので、前々月号にまとめた「筆者が考える『投資』の注意点」を載せておきます。
1 決して一人だけの意見に飛びつくのではなく、複数の専門家の見方を参考にする。
(円高論者と円安論者、株高論者と株安論者等、双方の見方を聞いて、自分で判断!そうすれば、あとで TVに向かって指さして、「お前のせいで・・・」とか「嘘つき野郎」とか、文句を言わなくて済みます。とかく人間は、「損したら他人のせい」、「儲かったら自分がすごい」と思いがちです)
2 100%相場が当たる人はいないと思え! TVに出ていようがそうでなかろうが、すごそうな肩書がついていようがついていまいが、外資系金融機関であろうが日系金融機関であろうが、外国人であろうが日本人であろうが、だれがしゃべっても「当たるも八卦、当たらぬも八卦」。
(日本人は“Give me chocolate”根性が抜けていなくて、「外国人が言っているから・・・」とか「外資系の方が相場は当たる」と勘違いしがちです)
3 無理のない金額での投資を心がける。1日3食のごはん代を節約して投資するとか、借金して投資するのはNG。まあ、お酒飲むのを我慢して投資は許容範囲かな。気持ちに余裕がない投資は、毎日の相場の動きに一喜一憂して、本来の自分の生業(会社での仕事、家事、子育て、睡眠・・・)を崩してしまう可能性があります。特に下落相場が続くと、ご飯食べられない、眠れない、仕事どころではない、子育てどころではない…、といった望ましくない結果を招きかねません。
心にゆとりのある投資は、いつの間にか貯まっていた、いつの間にか増えていた、のスタンスで!
「iDeCo」とは
さてさて、本題に入りたいと思います。
「iDeCo」とは、「individual-type Defined Contribution pension plan」の略で、日本語正式名称は「個人型確定拠出年金」です。公的に徴取されている国民年金や厚生年金の掛け金ではなく、個人が自分で積み立てる年金です。私的年金制度とも言えます。
(ご参考:「iDeCo」に関しては、iDeCo公式サイト( https://www.ideco-koushiki.jp/ )というのがあるほか、NISA同様、証券各社、銀行各社が専用サイトを作っています)
「NISA」を老後資金形成のためと思って始めた人たちも多いでしょうが、「NISA」はライフスタイルに合わせての自由度が高い一方で、「iDeCo」は60歳になるまで、原則として資産を引き出すことはできません。また、加入期間に応じて受給開始期間も異なります。

(出所:iDeCo公式サイトよりDave Imaizumi作成)
「なんか、使い勝手が悪い」と感じた方もいるでしょう。ただ、公的年金だけでは老後が不安という方には、10年あるいは20年等、掛け金を積み立てていくメリットもあります。それは、掛け金が所得控除の対象となり、運用益が非課税となることです。そして、給付時にも税制上の優遇があります。
「iDeCo」への掛け金が節税に
まず掛け金についてですが、加入区分によって、掛け金の限度額が異なります。詳細はiDeCo公式ページまたは、iDeCo開始時にお取引金融機関にお尋ねください。こういう時は、窓口で親身に相談に乗ってくれる担当者がいるところがいいですな。iDeCo公式サイトには「第2号被保険者 拠出限度額チェック」シートも載っています。

(出所:iDeCo公式サイトよりDave Imaizumi作成)
掛け金について、節税をするには、年末調整あるいは確定申告が必要となります。
会社員が年末調整でiDeCoの控除を受けるには、「小規模企業共済等掛金控除」という項目の中の「個人型年金加入者掛金」の欄に、年間の払込総額を記入します。
医療費控除や初年度の住宅ローン控除の適用が必要な場合には、年末調整を行っていても確定申告が必要なため、iDeCo掛け金も併せて「小規模企業共済等掛金控除」欄に申告が必要になります。ふるさと納税で確定申告している人たちも増えてきているので、経験のある人には、ある程度理解しやすいと思います。
あっ、そこのあなた、もうすでに面倒くさく感じてきていますね。分かります。「NISA」と比べると、面倒くささマックスですよね。でもね、加入資格によって拠出限度額((年間の掛け金限度額)に違いがあるものの、これによって課税所得金額が変わってくれば、あなたの所得に対する税率も変わってくるかもしれませんよ。ただただじっとしていても、いいとこ取りの節税はできませんので、もうちょっとお付き合いください。
「iDeCo」で運用した結果の運用益は非課税
これについては、「新NISA」でも説明しましたが、「iDeCo」での運用益であるキャピタルゲイン益(保有する資産を売却することで得られる売買差益)・利息・配当は非課税になります。つまり、20.315%の税金(所得税15%、復興特別所得税0.315%、住民税5%)は取られないということです。
あっ、注意してください。証券会社や銀行等の説明のサイトでは、買ったものが上昇することが前提のグラフや表が載っています。よく見ると、見えないちっちゃな字で下の方に、「運用対象商品が下落する場合もあります」とか「受取額が掛金総額を下回ることがあります」と書いてあります。つまり、運用リスクは本人(個人)が負担します。ですので、どういった商品がいいのかは、上述した「筆者が考える『投資』の注意点」を見て下さいね。
「iDeCo」での運用対象商品には預金も含まれます
「NISA」も「iDeCo」も「あんた、損しちゃったらどうしてくれるんだ」と他人に責任を負わせかねない方、ご安心ください。「iDeCo」の運用には預金もあります。株式(指数)の配当や海外債券の利息に比べて金利は低いものの、「安全第一」が家訓の方は、無理のない程度の掛け金でコツコツと積立預金をして、受取開始可能年齢になったら、公的年金を補完する年金として受け取ってもらうのがいいかもしれません。中東やほかの各地で紛争やテロが起きても、預金であれは元本が変動することはありません(受取金額が掛け金総額を下回ることはありません)。
「iDeCo」は給付金受取時にも優遇措置が受けられます
60歳を超えて、給付金を受け取る際にも、一括で受け取る一時金なら「退職所得控除」が、分割で受け取る年金なら「公的年金等控除」が適用され、一定額までは非課税になります。但しこれもまた、確定申告が必要な場合があります。
因みに、受給申告段階で大苦戦している筆者の場合を紹介しますね。
筆者は「前年以前19年以内に退職手当受けたことがある場合」の勤続期間、退職手当支給日、収入金額、源泉徴収額を求められており、2度転職しているので、書類集めが大変です。
転職時・退職時の書類をきっちり保管しておくことをお勧めします(^^9
税制上の優遇等もメリットは大きいと思いますが、上述してきたように、手続きの煩雑さは、「iDeCo」のデメリットともいえるでしょう。几帳面な方には向いていますが、筆者のようなずぼらの人間には向いていないかもしれませんね。
兎にも角にも、食料品の値段は上がり、光熱費も今後上がり、燃料費も将来高騰してしまうのではないかとの不安が高まる中、利用できる節税、非課税、所得控除はなんでも利用したいと考える筆者です。
【PROFILE】
今泉光雄
Mitsuo “Dave” Imaizumi
北海道苫小牧市生まれ。1987年一橋大学法学部卒業後、三井銀行入行(後に、太陽神戸三井銀行、さくら銀行、三井住友銀行)。1992年から外国為替マーケット業務に従事。1997年~2001年にニューヨーク勤務。大和証券SMBC、メリルリンチ日本証券、大和証券チーフ為替ストラテジストを経て、定年退職後の現在は、長野県信用組合資金証券部(預金量1兆円規模)で、為替・外国債券で数百億円の運用を担当。
・座右の銘:驕る平家は久しからず
・モットー:客に買わせる相場観ではなく、お客様に勝って頂く相場観を目指したい
2026.04.26
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